中国の「為替操作国」指定 早わかりQ&A
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【ワシントン】米財務省は、中国が為替操作国に該当するかどうかについて、過去10年間にわたり検討してきたが、同省は5日、中国を操作国に指定した。中国の為替操作国指定は1994年以来。

 この措置が何を意味するのか、そして財務省はなぜ指定に踏み切ったのかについて検証する。

為替操作とは何か

 各国は為替市場に介入し、ドルを買い入れることで、自国通貨を弱くすることができる。これによりドルは相対的に強くなり、相手国の通貨は弱くなる。ある国の通貨が弱くなると、その国の産品が国際市場で安くなり、大きな輸出促進効果を持つ可能性がある。

 米財務省は、他国が「国際貿易競争で不公正な優位性」を得ようとしていないかどうか判断するため、こうした行動を監視する。

 こうした手法による自国通貨安への誘導は、人為的とみなされる。なぜならそれは、国際貿易と資本の流れを背景とした市場実勢ではなく、政府の政策によるものだからだ。

 ここ何年かの為替操作の疑念は、主に中国に向けられていた。共和、民主両党の政策担当者は、中国が世界市場で自国の輸出品価格を安くするために人為的に自国通貨安に導き、自国の製造業を支援していることを懸念していた。