会社の外で会議を行う「オフサイトミーティング」を取り入れる企業が増えてきた。精神的にも物理的にも日常業務から切り離される機会となり、経営戦略など重要なテーマを議論する場として重宝されている。ただし、その効果が長続きせず、会社に戻ったとたんにミーティングの成果が忘れられてしまうことも多い。オフサイトミーティングを持続的なインパクトにつなげる6つのヒントを示す。


 正直言って、経営戦略会議を社外で行うには、お金も時間もかかる。チームの一体感を高め、方向づけをするには最適な環境だが、そうしたメリットが長続きせず、日常に戻ったとたんに失われてしまう可能性がある。

 私たちは20年前から、企業のCEOがオフサイトで開催する年次経営戦略会議の企画進行をサポートしてきた。世話役として、持続性のある成果を導き出す責任もある。

 私たちはその経験を通じて、オフサイトミーティングがどうしたら「スティッキーな」(出席者のマインドに貼りついて離れない)ものになるか、すなわち、会社に持ち帰った会議の成果が、経営チームの仕事に持続的なインパクトを与えるにはどうすればよいかを学んできた。

 そこで、少人数の幹部会議でも、大人数の経営会議でも、スティッキーなオフサイトイベントを行うためのヒントを6つ伝授したい。

(1)目的を明確にする

 オフサイトイベントの前に、そのイベントで何を達成したいのか、そしてイベント後に成果測定をどのように行うのかを、CEOであるあなたも、チームも、明確に認識していることを確認する。

 イベントの目的とは、次のようなものだ。

・戦略的な優先課題を共同でまとめ、チームが完全にコミットできる測定可能な成果目標に合意する。
・それらの目標を達成するまで、イベント後、誰が、いつまでに、何を、どのように実施するのかという遂行計画を立てる。
・チームのパフォーマンスを向上させるための入念かつ構造的な議論を促進する。

 目的を設定する際には、参加者に何を理解し、合意してほしいのか、何のために結集し、最終的に行動を起こしてほしいのか、また会議終了後、どのような感想を持ってほしいのか、それを引き出すために何ができるのかを検討する。

 ●スティッキーにするヒント

 次の宣言を完成させる。「オフサイトミーティングの終わりに我々が[ここに目的を挿入]となれば、私はたいへん満足だ」。このように明瞭にしておくと、イベント前にチームで目的を話し合う際に、自分の期待することがチームに伝わり、同時にチームは下準備や心構えができるため、自信と目的意識を持って議論に臨むことができるようになる。