経済面では、米国中心に、軍事技術や戦略物質の輸出を管理するCOCOM(対共産圏輸出統制委員会)を結成し、技術移転への封じ込めを行った。

 さらに、ソ連の経済力が世界最大の産油国として原油マネーに依存していた状況で、1980年代に、原油価格が急落したことも米国に有利に働いた。

 加えて、米国は90年代以降、自ら推し進めたグローバリゼーションのもとで、世界市場で大きな支配力を確保したことが勝因の1つだった。

「中国異質論」での
封じ込めは成功するのか

 日本の封じ込めでは、為替の円高で脅したことに加え、「日本異質論」を持ち出し、日米構造協議などで日本の閉鎖的な取引慣行などをあげ、「グローバルスタンダード」の名のもとに、市場開放や規制緩和などを求め、日本は体質転換を迫られた。

 さらに市場の圧力を通じてジャパンマネーの源泉になった資産パワーの封じ込めに成功した。

 それから30年、かつての旧ソ連や日本に対するやり方は、今日、中国に向けられた動きと類似する。中国のGDPは米国の60%を超え、すでに「ツキディデスの罠」として米国が強く意識する存在になった。

 90年前後の日本がハイテク半導体摩擦での脅威になったのと同様、中米はいまハイテク戦争の状況にある。注目されるのは「中国異質論」が声高に語られ、国有企業等の存在に焦点が当たっていることだ。

 その象徴が華為(ファーウェイ)に対する規制強化などの強硬策だ。

 90年代を通じて一貫して米国が行った対日封じ込め戦略の歴史を振り返れば、たとえ米国の政権が代わっても戦略は変わらず、「中国異質論」を論拠に中国のパワーの源となる経済構造にメスを入れるとみられる。

 同時に、グローバルな観点から「グローバルスタンダード」の受け入れを迫り、中国の経済構造の変革を求め続けると考えられる。

「米国第一」「取引」では限界
いずれ転換を迫られる

 ただし、中国との「新冷戦」は、対ソ連、対日本との場合に比べると、て大変に難しいものだろう。