17年2月には約8億円の値引きが発覚、問題は国会で取り上げられるように。次々に明るみに出る近畿財務局の対応。そのさなか、文書改ざんが行われたとされる。

 今回の不起訴処分を受け、詐欺罪などで起訴された森友学園元理事長・籠池泰典被告(66)は記者団に「役人はおとがめなしで、私たち夫婦は口封じで約300日も拘留された。官に甘く民に厳しい国のやり方が露骨に出た」とコメントしていた。

 捜査の結果として「詐欺師」と認定(起訴)した人物から好き放題に言われ続け、さらに官側を不起訴としたのであれば、世間から「やはり、身内である官僚をかばったのではないか」と疑われても仕方あるまい。

 検察官は元々、転勤が多く、地方では仕事も公判維持や書類の決裁が中心だ。捜査といっても、実態は警察から送られてきた資料(証拠)に法的な瑕疵(かし)がないか確認するぐらいだ。

 特捜の捜査手法も、警察官のように現場に足を運んで聞き込みをしたりする地道なものではなく、空調の効いた部屋で「ブツ読み」(資料の解読)や関係者を聴取するというのが主なものだ。

 プライドは高いが、永田町や霞が関の人間関係など裏の裏まで知る情報収集・捜査能力は、限られた検察官しか持ち合わせていない。

 付き合いのあった複数の検察官が自ら、そう話していた。

 ある検察幹部は「昔の警察官は地元の中堅どころの高校出身が多かったが、近年は地元国立大出身もノンキャリアでたくさん採用されている。地元のネットワークと捜査能力があるのだから、(地方では)我々は指揮する側ではなく、教えを乞う側だ」と話していた。

 昨今、特捜は「巨悪」を挙げていない。

「最強の捜査機関」と恐れられた特捜は、今や影も形もない。能力もない。国民の負託にも応えていない。「特捜なぞ、もはや存在意義はない」と批判されても、反論できないのではないだろうか…。