<首都圏新築マンション市場>
大型開発が進む2019年下半期
注目は「超好立地」「街の充実」

週刊ダイヤモンド別冊 「いま不動産を買う5つの理由」発

首都圏の新築マンション供給件数は、2016年に年間3万5000戸台まで減少し、以降少し上向いたものの、19年の上半期は前年同期比の13%減となった。中古市場も加熱する中、今年7~12月の下半期に注目すべき新築物件は何か。不動産経済研究所の松田忠司氏に聞いた。

不動産経済研究所
企画調査部 主任研究員
松田忠司(まつだ・ただし)

東京理科大学理学部卒。2004年に不動産経済研究所入社。以来、一貫して不動産の調査部門に従事。調査結果を「首都圏マンション・建売市場動向」で月次で発表している。

 今年の上半期(1~6月)、首都圏では都心の大規模複合開発物件の供給が目立ちました。しかし、全体の新築供給数は1万3436戸と対前年同期比13.3%減。東京都区部に関しては、同23.6%減という結果です。新築供給競争の一方で、各デベロッパーは2018年供給物件の在庫を多く抱えており、上半期はこれらの販売も積極的に行われていました。

 上半期の新規供給物件の初月平均契約率は、前年同期より若干低い66.5%でした。販売期間が長期化するにつれて、中堅以下のデベロッパーの多くは供給規模を縮小しており、現在、売り手の多くは、大手デベロッパー系となっています。

 大手は、モデルルームを都心に集約し、夜も営業することで会社帰りのビジネスマンを取り込むなど、さまざまな販売戦略を長期的に仕掛けていますので、これまでのように、「販売好調の目安は初月契約率70%以上」という基準は、もはや形骸化しつつあると言っていいでしょう。

 なお、今年に限っては、晴海フラッグ(HARUMI FLAG、中央区晴海)が首都圏の新築マンションの契約長期化に影響しているという見方もあります。先頃、第1期募集の分譲価格が発表されましたが、最多販売面積が85㎡台、坪単価300万円前後という周辺物件と比べた場合の割安感から、8月5日の抽選結果を待って他の物件も検討してみようという人も少なくないからです。

 加えて、いまは中古市場に出回る物件が、これまでの1980年代のものから90年代、2000年代初頭のものにシフトしています。90年代は、新築物件が年8万戸台供給されていたためにストック数が多く、当然、新耐震基準も満たしています。

 2000年代初頭のものは、専有面積が80㎡クラスの物件が豊富で、共用部分もセキュリティなどの面では今より高スペックの物件もあります。

2019年下半期の注目は「超好立地」と「街の充実」

 今年の下半期(7~12月)は、東京湾岸や都心を中心に大型案件の開発が進み、2万3500戸程度が供給される見込みです。湾岸では晴海フラッグをはじめ、東京メトロ有楽町線・ゆりかもめ「豊洲」駅4分のブランズタワー豊洲が注目されています。

 都心では、山手線内で最大規模となる白金ザ・スカイ(SHIROKANE The SKY)が、10月下旬に販売開始の予定です。20年には徒歩圏内に山手線「高輪ゲートウェイ」駅も暫定開業予定で、利便性がより高まります。

 最近は、物件選択時に駅からの距離がより重視され、首都圏では基準が徒歩6・8分から6・1分へといわれるようになりました。実際、東急目黒線「武蔵小山」駅前や、JR京浜東北線「さいたま新都心」駅前の再開発物件などは、その利便性が好評のようです。

 その一方で、駅から多少距離はあっても、ターミナル駅の徒歩圏であったり、生活インフラの機能が充実した街であれば、都内、郊外を問わず、ファミリー層などに一定のニーズはあります。

 リビオシティ西葛西親水公園(江戸川区西葛西)や、リーフィアレジデンス橋本(東京都町田市)は、そうしたニーズに応える物件でしょう。

2019年秋のトレンドはこれ!

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2019年9月22日号
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