それでも習氏は長年、国家主席の任期撤廃や大規模な汚職摘発を通じて自らの権力基盤を強化しており、現在の危機によって地位を脅かされることはないとアナリストはみている。

 ブランシェット氏によると、中国共産党中央委員会総書記という習氏の立場は盤石のようだが、指導部は「不満を抱く人々によるばらばらの連合」であるため、政策を推し進めるのには困難を伴う。だからこそ習氏は、軍部や治安部隊、共産党中央政治局内で支持者らを確保し、厳しい時期に備えて地位を固めているとブランシェット氏は説明した。

改革停滞のリスク

 一方で、中国内外のアナリストは、習氏による統制強化によって必要な市場改革が遅れていることが、長期的に中国経済を脱線させるリスクだとの認識で一致している。

 ある政府当局者は、中国指導部は経済の状況についてナーバスになっており、統制を強化していると話す。

 統制強化の一例として、官僚や政府機関、国営メディア、学界、国有企業などの幹部らはロイターに対し、ここ数ヵ月で共産党思想について学ばされる勉強会が増えたことを明らかにした。

 前出の政府顧問は、貿易戦争よりも中国政府自体が経済改革を実行できていないことの方が大きな問題だと指摘。

「政府は何らかの行動を起こす必要があるが、その余裕がない。行動する意欲もない。制約が多すぎて、リスクも多すぎる。だからただ静観している」と話した。

(Michael Martina記者 Kevin Yao記者)

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