角氏によれば、3000万円の中古マンションであれば、購入者に100万円程度の仲介手数料がかかるのが一般的だという。だがこれは、新生活スタート時の家具・家電の購入費用に相当する金額だ。

 すむたす直販を利用すれば、購入者は仲介手数料にあてるはずだった資金をまるまる節約し、新生活の準備に充てることができる。サイト上から売り主である買取再販企業(リノベーション物件を取り扱う企業)とやり取りすることも可能で、近隣施設の情報など、物件ページだけではわからない情報を直接問い合わせることができる。

「すむたす直販」の物件ページ(サンプル)。画像を多く配置したスマホでも閲覧しやすいページ構成で、直感的に物件を探せるサービスを目指した(提供:すむたす)
「すむたす直販」のイメージ。画像を多く配置し、スマホでも閲覧しやすいページ構成を目指したという(提供:すむたす)

 すむたす直販では売り主側の仲介手数料も無料にしている。リノベーション物件市場は、仲介業者を通して物件を購入した買取再販企業が物件を改築し、その後再び仲介業者を通して買い手を探すのが通例。自社サイトなどで直接物件を販売する買取再販企業も存在するものの、それだけでは露出が少ないため、掲載料を支払って仲介業者に頼ることがほとんどだという。

 掲載手数料がかからないすむたす直販は、仲介手数料に悩む買取再販企業にとっての新たな販路になりうる。すでに首都圏を中心に100以上の物件が掲載されており、大手不動産買取再販会社も多数参画しているという。

自社物件の買取・販売促進が目的

 不動産業界に限らず、プラットフォームサービスの多くは売り手・買い手からの仲介手数料を収益源にしている。では、これらを一切取らないすむたす直販はどのようにマネタイズをするのか。

 すむたすの⾓氏は、「すむたす直販単体でのマネタイズは、将来的にも考えていません」とはっきり語る。

 すむたす直販の目的は、主に2つ。まず1つは、自社物件の販路としての活用だ。これまですむたすでは、すむたす買取で購入した物件をリノベーションした後、ほかの買取再販企業と同じように仲介業者を通して販売していた。すむたす直販が普及すれば、すむたすの物件も仲介業者に掲載せず直販できるようになる。

 もう1つの狙いは、ブランド向上による買取および販売事業の促進だ。より多くの買取再販企業がすむたす直販に参画して取扱件数が増えれば、すむたす自体の知名度も大きく向上する。それによって、長期的には物件の買取数や販売件数増加を見込む。