ラジオ収録を行うAzitの吉兼周優社長(右)と油谷大希部長(左) 提供:Azit

拡大する組織で、経営者の理念や新入社員の人柄を浸透させるのは難しい。社内報を手段として取り入れることが多いものの、なかなか読まれないのが現実だ。そんな中、“社内ラジオ”という新しい方法で企業文化の浸透に挑戦しているスタートアップがある。ドライブシェアアプリ「CREW」を提供しているAzitだ。音声での発信が生む、テキストでは出せない予想外の付加価値とは。(ダイヤモンド編集部 塙 花梨)

社内ラジオ、拡大期のベンチャーを救う

「さあ始まりました、今週のInto the startup!」
 会議室から、高校の部室を彷彿させる和気あいあいとした笑い声が響く。モビリティサービス「CREW」を提供するAzitが2018年10月から実施している“社内ラジオ”の収録だ。パーソナリティを務める吉兼周優社長を含む社員たちの手元には、収録用のマイクが設置されている。

 社内ラジオの発案者であるピープル・オペレーションズ部の油谷大希部長は、「拡大期のベンチャーには、ぴったりの施策」だと胸を張る。ラジオを始めた2018年10月当時、Azitは14名の会社だったが、そこから社員は瞬く間に増え、現在は56名。つまり、社員の大半は1年前のAzitを知らない状況だ。

「入社時期の違いによって起こる“情報格差”をなくしたいと思ったのが導入のきっかけです。特に創業期の話は、当時を知っている社員だけが理解できてしまうため、ほかの社員が疎外感を感じやすい。全員が顔を合わせることのできる14名の時にラジオを導入できたため、今になって効果が出ています」(油谷部長)