自発的に聴きたくなる番組作り

 現在、社員56名のうち42名が聴いており、前出の作井本部長のように最新回が配信されたら即座に聴くヘビーリスナーも生まれている。聴かれている理由は「純粋に面白いから」だという。

須藤信一朗CCO(左)と油谷部長(右) Photo by Karin Hanawa

「コンテンツが面白いことが一番重要。真面目な回はいくら勉強になる話でも、再生数が伸びないんです。社員をユーザーだと考えて、『聴いてください』とこちらからお願いしなくても、自発的に聴きたくなる番組作りを心がけています。ちなみに、過去最も再生されたのは、当社で一番話が面白いと言われている人気社員がゲストで出た回です(笑)」(油谷部長)

 「面白い」と純粋に思ってもらうため、1回の配信は15分に編集し、BGMを挿入するなどの工夫も欠かさない。また、社内外の面白い人物をゲストで呼ぶのも効果的だという。

「起業家やベンチャーキャピタリスト、DeNAの事業責任者などをゲストに呼んだこともあります。代表の吉兼と大物ゲストがざっくばらんに話しているのを配信すると、雰囲気が伝わって、まるで飲み会の場に同席している錯覚に陥るくらい身近に感じられるんです」(油谷部長)

 最近では組織改編に伴い、「ラジオ内で新しくできた部門を紹介させてほしい」などの声が届くなど、インタラクティブな効果も発揮しつつある。

「今後はさらに組織が細分化していくと思うので、エンジニア向けのテックラジオなど、部門ごとの情報共有にも使えそうだと目論んでいます」(油谷部長)

 工数をかけずに企業のカルチャーが醸成できる音声での発信は、成長する組織には最適な方法だ。スタートアップに限らず大企業でも、“文字”ではなく“声”が新しい社内情報の共有手段になる日も近いかもしれない。

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