人と違うことをやる、リスクを取ってでも新しい道を行く──。イノベーターとして活躍する若きリーダーたちは、どんな原体験に支えられ、どう育ってきたのか。今回は、東京大学在学中に起業サークル「TNK」を設立、多くの起業家の輩出に貢献した一方、自身も漫画やアニメなど和製コンテンツの権利マネジメントとグローバル展開を行うダブルエルの社長、保手濱彰人さんです。(聞き手/ダイヤモンド編集部論説委員 深澤 献)

学年最下位から東大合格
起業サークル「TNK」設立

──どんな子どもでしたか。

保手濱彰人/ダブルエル社長Photo by Masato Kato 拡大画像表示

 人を笑わせるとか面白いと思われるのが好きで、ものすごく目立ちたがりな性格でした。授業の中で必ず1回はクラスを爆笑させることにプライドを持っていました。小学校、中学校、高校を通じて、“この学年で一番○○な人”のようなアンケート企画で、学年で一番面白いやつ、目立っているやつ、大物になりそうなやつの三つでは、僕がダントツで1位でしたね。

 そして、「世界一になりたい」と思っていました。

──世界一とは、何の分野で?

 何でとか、何の指標でとかはなくて、世界一になったら、それはもう世界一なんです。だって漫画の『ONE PIECE』のルフィは、「海賊王に俺はなる!」と言いますが、海賊王の定義なんてなくて、「あいつが海賊王だ」と誰もが認めれば、それは海賊王ですよね。

 ただ、ルフィは海賊王とは何かと聞かれて「この海で一番自由なやつが海賊王だ」と言っているので、「この世界で一番自由な立場になる」というのが、もしかしたら目指す世界一なのかもしれません。

 さらに自分なりに考えを進めると、いかに多くの人に幸せを与えられるか。人々の幸福をグラフで描いたときにそれを積分して得られる面積を最大化することが「世界一」の定義なのかなと思います。