中高年が突然やる気をなくす「心のモヤモヤ」の正体とはこれまで頼りにしていたベテラン社員が突然やる気をなくしてしまうことはないだろうか…?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

これまで頼りにしていたベテラン社員が突然やる気をなくしてしまい、困惑する経営者も少なくない。そのような人の心の中では、いったい、何が起こっているのかについて考えてみたい。(心理学博士 MP人間科学研究所代表 榎本博明)

 これまで人並み以上に仕事を頑張ってきた人が、突然燃え尽きたようにやる気を失ってしまうことがある。年代で見ると40代から50代の中高年に多く見られる症状だ。

 若手社員の扱い方に頭を悩ます経営者は多いが、これまで頼りにしていたベテラン社員が突然電池切れを起こしたような状態になってしまい、困惑する経営者も少なくない。

 なぜかやる気が湧かない。心のエネルギー水準が低下した感じになり、これまでのようにがむしゃらに働く気になれない。それは本人自身にとっても大きな心の危機となる。しかも、このような状態に陥る可能性は誰にでもあるのだ。そのような人の心の中ではいったい何が起こっているのかについて考えてみたい。

心の変調を感じた本人も
戸惑っている

 これまでがむしゃらに働いてきた40代から50代の人が突然やる気を失うと、周囲から「いったいどうしたんだろう…。頼りにしていただけに痛いんですよね。早く元通りになってくれないかって祈るばかりです」といった戸惑いの声も聞こえてくる。

 この異変を感じるのは、周囲の人たちばかりではない。本人も自分の心の変調を感じ、戸惑っているものである。