こうした情報も、これまで退職者は認知しておらず、「年齢とブランドのミスマッチで、もう戻れない」と思い込んでいることも多かった。しかし、アルムナイ組織を作ったことで、転籍事例を共有できるようになった。

「アルムナイを体系化するため、退職した元社員に声をかけました。初めは、再雇用の募集だという誤解も多く、アルムナイの考え方を理解してもらうのに苦労しました。これから退職する社員には、辞める前から『辞めてもアルムナイとして繋がっていられる』と伝えられるので理解も広がると思います」(佐々木事業部長)

「辞めてもコーセー“と”働く」共創意識

 アルムナイは長期的なメリットを重視するコミュニティの形成であり、必ずしもすぐに再雇用したい人材を求めるだけのものではない。まずは繋がり、お互いの状況を把握することで、タイミングが合えば再雇用や協業に至ることができるのだ。

「辞めたら仕事上の関係ではなく、1対1の人間です。学校の卒業生のように、定期的に同窓会を開くような関係性が築けるといいと考えています。辞めていく人たちも、会社のファンです。退職しても、『コーセーで働く』ではなく『コーセー“と”働く』という考え方をしてもらえたら、うれしいです」(佐々木事業部長)

“辞める”という現象をポジティブに、終身雇用が崩壊した時代の新しい考え方だとマインドセットできれば、アルムナイは企業にとっても個人にとっても、有効であることは間違いない。