1日の終わりにゆっくり浸かる風呂は、翌日の活力につながる。そうとわかっていても、毎日の浴槽掃除が面倒でシャワーで済ましてしまう、という人も多いだろう。そんななか、2018年にライオンが発売した浴槽洗剤は風呂掃除の“面倒くささ”を一気に解消し、人気を博しているという。(清談社 真島加代)

家事の時短・効率化ブームが
バスタブクレンジングを後押し

ライオンのバスタブクレンジング「半信半疑で買ってみたけれど、本当に汚れが落ちてる」――SNSでは、おっかなびっくり買ってみて、効果に納得というユーザーが多いようだ

「風呂掃除」といえば、浴槽についた湯アカをゴシゴシとこする地味にしんどい家事……というイメージが強い。しかし、ライオンの「ルックプラス バスタブクレンジング」は、そんな風呂掃除の煩わしさを一変させた浴槽用洗剤として注目を集めている。

「『バスタブクレンジング』と、他社商品や当社の従来品との大きな違いは“こすらず洗い”ができる点です。浴槽全体に洗剤を吹きかけて60秒待ち、最後に水で流すだけで汚れを落とすことができます。浴槽をスポンジでこする必要がないのが最大の特徴ですね」

 そう話すのは、ライオンでヘルス&ホームケア事業本部リビングケア事業部ブランドマネージャーを務める宮川孝一氏だ。「こすらない浴槽用洗剤」がヒットした背景には、家事の時短・効率化ブームが大きく影響しているという。

「共働き世帯の1日あたりの家事時間は、女性3時間16分、対する男性はわずか15分と、約13倍の開きがあります【*】。家事の分担意識が高まっているとはいえ、まだまだ女性側に家事負担が偏っているのが現状です。現代の女性はとにかく忙しく、5分間の自由時間を持つことも難しい日々。家事をいかに効率化するかが、共働き家庭のテーマになっています」
 
 食洗機や買い物代行など、家事の負担を軽くするアイテムやサービスが多数登場しているなか、「浴槽掃除の効率化はあまり進んでいない」と宮川氏は指摘する。

「近年の浴槽洗剤市場は、除菌機能や消臭機能などの付加価値をつける傾向があり、その多くは“スポンジで浴槽をこすること”が前提です。しかし、当社で行ったアンケート調査【**】の結果からは、現在の市場動向とは異なるホンネが見えてきたんです。そのホンネとは、そもそも“こすり洗いをしたくない”という生活者の声です」

【*】…総務省統計局「平成28年社会生活基本調査」
【**】…2018年ライオン調べ/対象:20~50代の共働き女性400人