グローバル化がますます進んだことで、同じ会社に所属していても、違う場所で仕事をするケースが増えてきた。その結果、社員同士のコミュニケーションが希薄化しがちである。マイクロソフトは世界中に14万4000人の社員を抱えるグローバル企業だが、デジタルツールを活用した人的つながりの構築に挑む先進企業である。本稿では、同社が実践する4つの戦略を示す。


 組織がますますグローバル化して、拠点間が遠く隔たるにつれ、人間同士のつながりや結束は薄れていく。

 多くのリーダーにとって、オフィスの中を歩き回り、新顔に声をかけたり、従業員とつながりを築いたりすることは、もはや選択肢ではない。実際に顔を合わせて差し迫った問題について意見を交わすというやり方は、オンライン会議のツールを用いたミーティングに取って代わられてきた。

 筆者の一人(キャサリン)が勤務し、2人(ラスムスとジャクリーン)がコンサルティングを提供しているマイクロソフトでは、CEOのサティア・ナデラと彼のチームが、人的つながりの不足を埋めるためにデジタルツールを使った実験を行ってきた。コミュニティを築き、社員と幹部とのあいだにつながりをつくるうえで、彼らが頼みとした実践的な戦略を以下にいくつか挙げる。