きっかけは“闇副業”、クラウドファンディングでニーズを発掘

 自身の業務補助のためにつくったバタフライボードだったが、周囲からの評判も良く、量産化を決意。当時勤めていた会社は副業を認めていなかったため、会社には申告しない、いわば“闇副業”として事業を始めた。

 全国の町工場に足を運び、製造を依頼した。当初はテープで留めただけの簡易な作りだったボードの接続部は、スピーカー開発で培った磁石の知識を活用してマグネットによる着脱に改良し、「スナップバインディング」として特許を出願した。

 プロダクトとしてのイメージも固まり、製造できる工場は見つかった。しかしここで問題が発生した。工場から「ロット数が見込めないままでは、量産できない」と言われてしまったのだ。当時のバタフライボードは、資金や信頼の乏しい個人が作ったオリジナル製品。販売数の予測が難しい中で量産するのは、工場にとっても大きなリスクになるからだ。

 この問題を解決したのが、クラウドファンディングだ。開発資金を集める手段としての印象が強いクラウドファンディングだが、開発前にその商品に程度の需要があるのかを確認することができるのも大きな利点。福島氏がMakuakeでプロジェクトを発表したところ、約800人から計300万円近い支援が集まり、2015年7月に初めての量産化を開始した。

 その後も、ユーザーからのフィードバックをもとにオリジナルマーカーの開発などの改良を重ね、2017年8月には「バタフライボード2」のクラウドファンディングで1400万円以上の支援金を集めた。

 これにより、これまで資金面での不安や家族の安心を原因に踏み切れなかったバタフライボードへの一本化をついに決意。本業を辞職し、株式会社バタフライボードを設立した。実数は公開していないが、初年の売上高は副業時代の約4倍。2期目の収益も前年比10%増と好調だ。