ユーザーの声を取り入れて品質向上

 自動化を進める一方で、ユーザーからの問い合わせについては、必ず自分で全て引き受けるようにしているという。前述の通り、バタフライボードではユーザーの声を取り入れて、繰り返しクオリティを高めてきた。

「もちろん努力はしますが、個人で製造する製品なので初めから完璧なクオリティに仕上げることは難しい。だからこそ、こまめにユーザーの声を聞いて修正を繰り返すことで、ここまで支持される製品にできたのだと思います。事務作業など効率化できる部分で無駄を省き、プロダクトのクオリティに直結する部分で手を抜かないようにしています」

 また、副業に注力するために必要な要素として福島は「そもそも好きな仕事であることが大切」と言う。彼の場合、「自分の頭で考えたプロダクトを、実際に手を動かしてつくりあげる」という行為がそれだ。

「どんなに本業で疲れていても、帰宅後に自分のために手を動かす時間は楽しくて仕方がありませんでした。リソースに限りがある副業では効率化のための工夫が大切な一方で、どんなに疲れていても時間を惜しまず没頭できることを事業にすることが大切です」

副業の経験は、本業の糧にもなる

 工夫を凝らして好きな仕事に取り組んできたといっても、やはり副業を進めるのは決して楽ではなかったと福島氏。バタフライボードを本業にしたのは副業を始めてから約4年後だが、家族からの理解や資金面での不安がネックとなり、本業化に踏み切れなかった時期も長かったという。

「それでも、トータルで考えれば副業は確実にプラスの経験です」と福島氏は断言する。その大きな理由は、企画から開発、製造元とのやり取りや販売まで、物作りに関わる全ての段階を経験したことで、本業にも影響したことだ。ほかの部門の人々の考えていることもわかるようになり、自分の仕事を商流全体から俯瞰できるようになったという。

 現在、バタフライボードはちょうど3期目を開始したばかり。すでに「ノーツ」以降の製品アイデアもあり、これからは従業員の雇用も視野に入れて急ピッチで事業を拡大していく。「今年度はバタフライボードの今後を左右する重要な年になるはず」と福島氏の意気込みも十分だ。

「これまでの事業で私が培ってきた最大の資産は、町工場の職人や販売店の方々といった、会社の中だけでは関わることがなかった人々とのつながりです。副業を通して感じたのは、新たな取り組みの成否を大きく左右するのはその人が持つ人脈だということ。そして、人脈を増やすためには、とにかくアクションするしかない。『バタフライボードだけの一発屋』と言われないよう、もっとヒット製品を生み出したい」