台風が千葉県を通過したのは9月9日から10日にかけて。すでにさまざまなメディアで報じられているとおりだが、南房総エリアの多くが被害を受けている。台風の翌週である15日には社内で「全国の職人と繋がりがあるからこそ、できることがあるのではないか」という話が持ち上がり、翌日には一部社員が現場を視察。20日までに支援プランを決定して、25日から社員の現地入りを進めた。

「災害支援には、スピードとクオリティの両立が欠かせません。もちろんまだ安心はできませんが、SUSTINAなどの活動を通じて弊社が築いてきた職人との密なネットワークを生かすことで、支援プランの策定から行動までを短期間でこなせたと思っています」(韓氏)

富津市支援の取り組みについて(提供:ユニオンテック)富津市支援の取り組みについて(提供:ユニオンテック)

 では、今回現場に派遣された職人はどのように集められたのか。ユニオンテックの発表では「専門技術を有するSUSTINA会員企業の職人の⼿配」と表記されているが、これは今回の派遣にあたって直接SUSTINA上で募集をかけたという意味ではない。

「被災地支援ではスピードだけでなく、信頼できる職人を精査することも大切です。実際、被災地で職人を騙る人物が詐欺行為を行うケースもあり、オンラインプラットフォーム上で募集をかけて集まっただけの知らない人をそのまま現地に派遣するのは、危険だと判断しています」(韓氏)

 それではどのように信頼できる職人を集めたのか。その答えは、ユニオンテックという企業の沿革や、事業内容を把握するとわかりやすい。

“創業20年目のスタートアップ”

 ユニオンテックの母体となっているのは2000年に設立されたクロス・床等内装仕上げ工事業者の「ユニオン企画有限会社」だ。

 その後、設計デザイン事業やショップ・オフィス物件を中心とした制作など着実に事業範囲を拡大し、2016年にSUSTINAの運営を開始。さらに、2018年にリクルートホールディングスでエグゼクティブマネージャーとして海外でのM&Aなどを行なってきた韓氏を迎えた新体制に移行し、個人と職人を結びつけるBtoCの工事マッチングアプリ「CraftBank(クラフトバンク)」を開始した。

 2019年2月には、米国のベンチャーキャピタル・DCM Venturesを引受先とする9.7億円の資金調達を実施した。ユニオンテックはいわば第二創業期。創業20年目でありながら、シリーズAラウンドのスタートアップとして活動しているのだ。