リーダーを選ぶ際、それまでに大きな業績を上げた人が有力な候補になるだろう。だが、売上げを上げられる人材とリーダーにふさわしい人材は必ずしも一致しない。また、昨今のビジネス環境は急速に変化しており、過去に成功したやり方がこれからも通用する保証などない。最高のリーダーを登用する秘訣は、過去の業績ではなく潜在力に注目して評価することだと筆者はいう。


『ピーターの法則』の刊行から50年が経過したいまなお、この法則は有効である。「やがてすべての役職には、職務を果たせない無能な従業員が就く」と、ローレンス J. ピーターは述べた。彼は、この有名な法則を導き出した教育学者であり、その理論は、「最も有能な人々は昇進を続け、自分のスキルレベルより上の地位に就いた時点で成長が止まる」というものだ。

 さまざまな研究によると、昇進とはいまでも主に過去の業績に対する報酬であり、(職責が変わっても)ここまでその人を成功に導いた特性によって今後も成功し続けると組織は想定している。それゆえ、無能なリーダーが一向に減らないのだろう。

 つまり、リーダーのポジションに最高の人材を選びたいと願う組織は、候補者の評価方法を変える必要がある。次に新しいリーダーを選ぶときは、これから述べる3つの質問をしてみてほしい。