中国 2019年10月2日

中国の教育がますますエスカレート!
宿題をしている様子の動画まで提出!

宿題まで監視される中国の子ども

 こうした宿題の負担を軽くするため、中国ではさまざまなツールが存在する。日本のような宿題代行サービスが存在するし、ちょっと前には、本人の筆跡をまねて筆記してくれる宿題ロボットが話題になった。もっと手軽なツールとしては、回答を教えてくれるアプリがある。スマートフォンで設問を撮影すると画像認識がそれを判断し、膨大なデータの中から類似する設問を探しだし、即座に答えを導き出してくれるのだ。
 
 多数のアプリが存在するが、北京阿凡題科技が開発する「阿凡題拍搜」は、登録されている先生からオンラインで直接指導を受けることができる。つまり、eラーニングの機能も備えているのだ。同社の公表によると、ユーザー数は6000万人に達するという。

中国では、回答を教えてくれる学習アプリがたくさんある【「阿凡題拍搜」より」】

 

 進学校では学習の進度が早いため、次第に付き添う親も内容を理解できなくなっていく。そうなった時に、こうしたアプリが役に立つ。しかし、こうしたアプリには賛否両論があり、自分で考える力がつかなくなるから禁止すべきだという意見もある。そうした批判もあってか、最近では、教師の宿題への“監視の目”が強まっている。

 先日、上海に住む妻の友だちから聞いた話に驚いた。その家庭は裕福であり、昨年から娘が上海市内の私立小学校に通いはじめた。毎日出される宿題がきついという話は以前から聞いていたが、それだけではない。その学校では、宿題をしている様子の動画を提出させることがあるというのだ。
 
 たとえば計算問題や朗読の宿題を出されたら、親はスマートフォンで課題に取り組む様子を撮影し、メッセージアプリ「微信(ウェイシン)」(日本のメディアでよく使用される『WeChat』の呼称は国際版)を通じて教師に送らなければならない。それによって教師は、本当に本人が独力で宿題をやったかを確認するのだ。
 
 普通の学校ではさすがにここまですることはないようだが、進学校では当たり前になってきているという。中国のことなので、普通の学校に広がるのも時間の問題かもしれない。

 親はそれだけ頻繁に教師と直接やり取りをしなければならないわけで、想像しただけで煩わしさを感じる。その子のクラスでは、微信に2つのグループが存在するという。1つは父兄だけのグループで、もう1つはそれに教師が加わる。教師からは、微信を通じて宿題についての連絡がくる。そして、教師のいない方のグループでは教師への悪口で盛り上がり、溜飲を下げているのだ。
 
 学校や教師に対して不満はありつつも、いい大学に入れるという最終目標のためには、他の子に遅れを取るわけにはいかない。結果、撮影はやりすぎだと思っても、教師のいいなりになるしかない。こうして中国の受験競争は、エスカレートしていくのだ。

中国では進学校を中心に、宿題している様子の動画を撮影させる学校が増えている【中国のSNS「微博(ウェイボー)より」】

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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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