化粧品業界に起こっているカオス

 ノインが化粧品ECを開始した理由は、「顧客が、自分に合った化粧品に全然出合えていない」という事実があったからだという。

「コスメは製造原価が安いので、参入障壁が低く、ブランドが星の数ほどあります。百貨店のコスメコーナーを見るだけでわかりますが、比較が非常に難しい。販売部員は自分のブランドしか売れませんから。人によって合う化粧品は異なりますが、ブランドをまたいですべてのリコメンドを受けることはできません」(ノイン代表取締役の渡部賢氏)

ノインはインスタグラム上で、“コスメ迷子”になっているユーザーの相談にのっている 写真提供:ノイン 拡大画像表示

 コスメブランドが多すぎて、どれが良い化粧品なのかわからない“コスメ迷子”状態の女性が多いのだ。今回ダイヤモンド編集部が、ノインのユーザー789人(15~29歳が中心)に実施した「化粧品購入に関するアンケート」結果からも、コスメの種類の多さと複雑さがわかる。

 まずは、「化粧品の使用個数」に関する質問。マスカラや口紅だけでなく、化粧水や美容液などの基礎化粧品も含めて、毎日使う化粧品の種類について尋ねたところ、3分の1が「15~20種類の化粧品を使用」していた。化粧をしない人からすると驚くような数かもしれないが、例えば目の周りの化粧品だけでも、アイライン、アイブロウ、マスカラ、アイシャドウ、アイクリームなど、キリがないほどあるのだ。

 「購入のタイミング」に関しても、74%が「使い切るなどにかかわらず、お気に入りのブランドだったら購入する」と答えている。化粧品は使い切ったら購入する“消耗品”ではなく、季節ごとに出る新作をついついそろえる“嗜好品”だということがよくわかる回答だ。特に色がはっきりと出るアイシャドウや口紅は、季節や気分、服の色味に合わせて何種類も持っている人も多い。

高級ブランドの競合は「プチプラ」だった

 ブランド数も品目も多く混沌とした市場でも正しい買い物が体験をできるように、ノインは化粧品メーカーに対して顧客の購買データ提供を始めた。化粧品メーカーはこれまで、ブランドごとの顧客情報しか持っていなかった。また、アンケートもブランドごとでしかできなかったため、バイアスのかかったデータしか知ることができなかったのだ。