他社との差は「購買データ」にあり

 アイスタイルが運営するコスメのクチコミサイト「@cosme(アットコスメ)」はコスメ業界の誰しもが知る存在。コスメをさまざまなジャンルに分類し、商品ごとに評価やクチコミを投稿できる老舗サイトだ。アットコスメと比較されることも多いというノインだが、保有するデータは一線を画すものだと主張する。

「私たちが提供するのは、クチコミでなくEC。なので、実際に購買至ったかどうかまでデータで追うことができます。クチコミだけでは購買までの導線は弱く、データで出せるのは閲覧履歴までです」(渡部氏)

ノインがインスタグラムでアップしている投稿 写真提供:ノイン

 また、ノインの立ち位置は、Yahoo!ショッピングや楽天市場などほかのECモールとも異なる。

 1つは、「独立したECサイトであること」だ。ECモールでは、複数の出店者が同じ商品を販売して、お互いが購買を競い合っている。そのため、他の出店者に勝つために、同じ商品でも値段や見せ方を変えたものが複数並ぶこともある。ユーザーにとっては見にくい。また、競い合う出店者同士が、お互いの購買データを共有にするのは難しい。

 もう1つの強みは、「コスメ領域に特化している」ことだ。ECサイトがデータをオープンにできたとしても、扱っているジャンルはコスメだけではない。ほかのジャンルの購買データも顧客データに紐づいてきてしまう。

「“水をたくさん買っている人が口紅を買っている”というデータが出ても、あまり化粧品メーカーでは生かせないですよね。コスメに特化した購買データを正確に出せる構造にすることは、想像以上に参入障壁が高いと思います」(渡部氏)

 現在ノインは、この強みを生活かし、化粧品メーカーにデータを提供している。

「データを追ってみてわかったのですが、商品の売れ行きは、画像やキャッチコピーで大きく変わります。このデータで店頭でのマーケティングや広告費の使い方などが効率的になり、最終的に消費者の不便さを解消することを目指しています」(渡部氏)