他の銀行もFRBの超過準備を減らしたが、削減率は平均するとJPモルガンの半分にとどまっている。例えば預かり資産規模が全米2位のバンク・オブ・アメリカの圧縮額は290億ドルで、率は30%だった。

 FRBが金融危機後の量的緩和で膨らんだ国債など大量の保有資産を徐々に減らす方針を決めたことで、銀行は全体にこの1年間でFRBへの超過準備を減らしてきた。

 米銀のアナリストは「すべての銀行がある程度は超過準備を減らしていた」とした上で、「JPモルガンの圧縮は突出しているようにみえる」と述べた。

 JPモルガンは以前ならレポ市場で資金の出し手となるチャンスに飛び付いただろう。しかし事情に詳しい関係者によると、先月17日にはレポ金利が5%超と通常の2倍に達していたにもかかわらず、規制面などの制約により供給できるキャッシュが制限された。

 レポ金利上昇は法人税の納付や国債発行などに絡んで資金調達ニーズが通常よりも高まったことが背景だが、この関係者はもしJPモルガンが資金の出し手として制約を受けていなければ、レポ金利が10%にまで急騰することはなかっただろうと述べた。

 JPモルガンは昨年末、FRBから引き出した大量の資金で、FRBの利下げ前に高い金利の証券を購入し、アナリストから称賛を浴びた。同行は法人顧客からの急な需要などのためにもキャッシュを必要としている。

 また金融危機後に導入された銀行規制により、破綻時などに備えてキャッシュを積み増すことも義務付けられている。

 さらに、金融システム上重要な金融機関には資本の上乗せが義務付けられていることも、JPモルガンが9─12月にレポ市場で資金を出さない特別な理由になっている。ゴールドマン・サックスはノートで、JPモルガンがレポ市場で資金の出し手になると、資本の上乗せ分として80億ドルが追加で必要となる恐れがあると試算した。

(David Henry記者)

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