実際に運用してみると、高額を提示する社員だけではなく、さまざまな金額を提示している社員がいることがわかった。

 例えば、「先輩の給料が、自分の希望する金額より低い」という相談があり、先輩の金額はそのままで、後輩の給料をアップさせたケースや、週3勤務にしたいからという理由で「給料も下げたい」と申請したケースがあった。ほかにも、営業担当者は年間予算を達成したときにインセンティブ形式で金額を上げるというスタイルをとっている人がいたり、家庭のために、あえて給与を変動させない人もいる。

 2000人規模の大企業出身の社員は、「前職は働いた時間に対して支払われる仕組みだったので、効率よく働いて定時で帰る人は評価されませんでした。今は、どうせやるなら効率よく仕事して自分の時間を作ろうという気持ちで仕事ができている」と語る。

 個が尊重され、多様性が求められる時代だからこそ、自分の仕事も働き方も、そして給与までも、自分で考え、デザインしていく時代なのかもしれない。