カナダのトルドー首相陣営、「人種差別」報道対応の一部始終10月3日、世論調査によると、トルドー氏の支持率は暴露記事の直後に落ち込み、その後は持ち直しつつある。写真は遊説演説をするトルドー氏。9月19日、マニトバ州ウィニペグで撮影(2019年 ロイター/Shannon VanRaes)

[オタワ(加オンタリオ州) 3日 ロイター] - 9月18日。ハリファックス空港に向かうトルドー・カナダ首相の選対陣営に、米タイム誌の記者から暴露記事の知らせが入った。首相の再選を揺るがしかねない1枚の写真が数時間後、同誌の紙面を飾る。トルドー氏が29歳だった2001年、「アラビアンナイト」パーティーで顔を茶色く塗り、人種差別的な仮装をした写真だ。

 ウィニペグ行きのため空港の駐機場に移動した陣営は急きょ、離陸を4時間遅らせ、その間の時間を機内にとどまったまま、記事への対応に費やすことにした。総選挙は1ヵ月後だ。

 機内では、側近らがトルドー氏のメディア向け謝罪メッセージを準備する傍ら、首相自身はツイッターでの擁護を期待し、少数民族系の自由党議員と閣僚に片っ端から電話をかけた。

 トルドー氏は機内で、テレビ全国中継用の記者会見を開いて何度も謝罪した上、他にも顔をこげ茶色に塗った出来事があったことを認めた。

 トルドー氏の側近や参謀6人への取材で、首相陣営がその後1週間、イメージ回復のためにいかに早急かつ慎重な戦略を取ったかが浮かび上がる。

 戦略立案に関わった側近の一人は「逃げたり引き延ばしたりは禁物だ。首相を表に立たせ、国民に好きなだけ非難させる必要がある」と語った。