即座に謝罪する戦略が吉と出たかどうかはまだ分からない。世論調査によると、トルドー氏の支持率は暴露記事の直後に落ち込み、その後は持ち直しつつある。しかし複数の世論調査は、首相の自由党が少数派政権を樹立できれば良い方で、野党保守党に敗れる可能性も示している。

 保守党の選対陣営のスポークスマンはロイターに「トルドー氏はこの4年間、聖人ぶって国民に社会問題や多様性の問題を説いてきた。偽善はごまかせない。国民は今、トルドー氏が看板を偽っていたことに気付いた」と批判した。

筋書きを棚上げ

 関係筋らによると、トルドー氏陣営では3人の参謀が危機管理に当たり、首相府の幹部らと協力して次のような対応を練った。

 オープンな態度で悔恨の意を示し、国民とメディアからの疑問に真摯に答える。通常の選挙戦をいったん休止する。10月21日の選挙に向け、なるべく早くこの問題を収束させる。

 危機に直面した自由党陣営は、当初の筋書きを一時棚上げせざるを得なくなった。筋書きでは、保守党に人種差別主義者や反同性愛、反中絶を掲げる候補の駆け込み寺というレッテルを貼り、激しい選挙戦を展開するはずだった。

2日謝罪して仕切り直し

 首相の航空機は9月18日のその後離陸し、ウィニペグに到着した首相一行は、同行記者団とは別のホテルに向かい、その後12時間記者団と連絡を絶つという異例の対応を取った。