これはコンゴや東アフリカの近隣諸国の産出する金属が、紛争の資金源として利用されている問題に対処するためだっだ。

バーコードが取り付けられたコルタンの鉱石の袋写真は8月、コンゴ東部ルバヤのSMB所有の鉱山で、バーコードが取り付けられたコルタンの鉱石の袋(2019年 ロイター//Baz Ratner)

 2021年には同じような趣旨の欧州連合(EU)規則が施行され、ロンドン金属取引所では2025年までに責任ある調達方法を採らない金属サプライヤーは、排除される可能性がある。

 米国地質調査所の推定によれば、昨年の世界全体でのタンタル生産量の39%は、コンゴ産だった。

 コンゴ鉱山省のデータによれば、SMBは昨年、アジアの精錬企業2社に鉱石を供給しており、テスラ、GM、フォード、アップルは、公的な提出書類の中で当該2社が自社のサプライチェーンに含まれている(またはその可能性がある)と述べている。

 ロイターがコメントを求めたところ、テスラからは回答がなく、アップルは回答を拒否している。GMとフォードは、米国証券取引委員会への提出書類の中で、精錬企業に対する監査支援など責任ある調達に向けた措置を説明している、と答えている。

 専門家によれば、2010年以降に採用された措置はサプライチェーンの不正防止を前進させたものの、まだ、課題は残っているという。

 ベルギーの国際平和情報サービス(International Peace Information Service、IPIS)とデンマーク国際研究所(Danish Institute for International Studies)が4月に発表した報告書によれば、2016─18年に視察した711カ所の鉱山のうち、28%でコンゴ軍または武装勢力の介入が見られたという。

 その中には、コンゴにおける主要な「責任ある調達」スキームであるITSCIの監視対象である20カ所も含まれていた。

 この報告書によれば、「鉱山への介入」とは、軍部隊または武装勢力による直接的な支配を意味する場合もあれば、非公式な課税や所有関係を通じた間接的な影響の場合もある。

 コンゴ東部のノースキブ(North Kivu)州で鉱山省の代表を務めるレネ・マスンブコ(Rene Masumbuko)氏は、鉱山に対する軍・武装勢力の介入はまれであるとしつつ、反政府勢力の支配下にある一部地域には、政府職員が立ち入れないことを認めた。

 国際スズ協会による取り組みであるITSCIを指揮するケイ・ニンモ(Kay Nimmo)氏は、不正の事例があることを認めている。彼女は、タグ保管の安全性向上に取り組んでおり、報告ではシステムは大きな前進を示していると述べている。

 SMBは昨年12月にITSCIを離脱した後、「ベター・マイニング」プログラムと呼ばれる新たなトレーサビリティ(追跡可能性、生産履歴管理)スキームに加わった。