米朝首脳は昨年のシンガポール、今年2月のハノイ、6月の南北軍事境界線で3度会談を行っている。

 個人的な関係は築かれているものの、非核化を巡る条件では合意に至っていない。

 ◎期限の意味

 演説当時の米朝協議はこう着状態で、金委員長は核実験と長距離弾道弾の実験見合わせを疑問視していると表明。

 北朝鮮当局者も、協議の進展がなければ実験再開もあると示唆していたが、期限の説明については曖昧なままとなっている。

 ワシントンのシンクタンク、ディフェンス・プライオリティーズのフェロー、ダニエル・デペトリス氏は「実際のところ、期限が過ぎたら北朝鮮が何をするのかはわからない」と述べた。

 北朝鮮は、ポンペオ米国務長官がこの期限を否定した際には強く反発。外務省は4月、米国が問題の根源を自ら取り除かなければ、朝鮮半島の状況がどうなるか誰も想像できないと非難した。

 ◎年末である理由

 金委員長はなぜ年末を期限としたか明らかにしていない。

 専門家は、金委員長の新年の演説以上の明確な理由はないと分析。北朝鮮の指導者は、新年の演説で大きな発表をしたり目標を設定することがある。

 金委員長も2018年の新年の辞でそれまでの態度一変させて友好姿勢を打ち出し、韓国との関係改善に積極的なシグナルを送った。

 今年は米国が「一方的な要求」を続けた場合、「新しい道を模索せざるを得なくなる」と警告した。

 これは北朝鮮の対米交渉担当者が譲歩を引き出す際に用いる主張で、重要延世大学のジョン・デルーリー氏によると、期限の具体的な意味合いが不明なままでも変わらない。

 デルーリー氏は「プロセスが年を越えて続く余地はあるが、一定の時間的プレッシャーが生まれる」との見方を示した。

Copyright©2019 Thomson Reuters 無断転載を禁じます