政府はデモ隊の要求に応じるか

 政府は既に国民の雇用機会を増やすと約束。アブドルマハディ氏は、大卒者に雇用を請け合うとともに、石油省などの政府機関に対し外国企業との業務契約で国内労働者に50%の仕事を割り当てるよう指示した。

 前政権は昨年、医療制度や電力供給などの改善を約束していた。

宗派対立に起因する騒乱か

 そうではない。イスラム教スンニ派の過激主義を標ぼうするISに支配された経験を持つ大半の国民は、宗派対立を避けようとしている。今回のデモは、経済や暮らし向きの悪化への抗議だ。ほとんどが首都バグダッドやシーア派が圧倒的な南部で起きているが、そこではあらゆる民族や宗派を巻き込んでいる。怒りの矛先は政治指導層であり、特定の宗派ではない。

デモが政府に及ぼす影響は

 今回のデモには、どの政党や政治団体、過去に反政府活動を組織してきたシーア派聖職者モクタダ・アルサドル師のグループでさえ、公には参加していない。このため政府はデモを抑え込むのに苦戦するかもしれない。

 デモが拡大した場合、政府がどのような手を打てるかもはっきりしない。これまでのところ政権は要職者の更迭や辞任には言及しておらず、アブドルマハディ氏を擁立し、政治的立場の弱い同氏をコントロールしている諸勢力は、今後もこうした状態を維持したいと考えそうだ。

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