制度を作った、マーケロボ代表取締役社長の田中亮大氏は「すべての企業にすすめたい」と太鼓判を押す。

「人は必ずサボります。あからさまにサボらずとも、PCの前に向かっていたってまったく集中できないときだってあります。集中力が落ちているときに無理に仕事をするほど非効率なことはない。そこで、理由がなくても、突発的に休むことを容認する制度として“サボり制度”を作りました」(田中氏)

「サボること」も仕事のうち

 田中氏がサボり制度を始めた動機は、同氏が起業する前の、会社員の時代にまでさかのぼる。

「当時製薬会社の営業をしていたんですが、外回りだったので営業の合間を縫ってよくサボっていたんです。映画を見たり、ランチをゆっくり取ったり。人生の楽しみがないと何のために働くのかわからなくなる。社会人に足りないのは、お金よりも時間だと感じていました」(田中氏)

サボり制度を使用する連絡をするチャット画面 画像提供:マーケロボ
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 そして、マーケロボを起業して社員数が10人を超えたときに、以前から構想していたサボり制度を始めた。

「朝行きたくない。今日はなんとなくゆっくりしたい。そういう気分になることは、人間誰しもあります。でも体調不良や冠婚葬祭以外で有休をとると、なぜか罪悪感が生まれてしまう。後ろめたくならずに堂々とサボれる仕組みを作りたかったんです」(田中氏)

 サボり制度の大きな特徴は、休暇制度ではないことだ。サボり制度を使っている時間は、業務時間として換算される。

「サボり制度は、“理由なく”サボりたいときに使うもの。そのため、体調不良や、役所への手続きなど、明確な理由がある場合は有休になります。また、サボり制度を月2回使うことも業務のひとつ。しっかり使うことを社員に呼び掛けています。ルールは簡単、『何してサボるのか』を連絡するだけ。連絡直後からサボるのもOKです」(田中氏)

美容室やジム、親孝行など、多岐にわたるサボり方

 マーケロボの現在の社員約30人は、どのようにサボり制度を活用しているのか。

「昨日サボりました。最近仕事が煮詰まっていたので、午後4時からスーパー銭湯へ。久々にゆっくりできて良かったです。入社直後は『サボります』と言い出しづらかったんですが、他の社員が潔く使っているのを見て、自然と“サボりカルチャー”になじむことができました。会社と自宅の往復だけだとどうしても視野が狭まります。サボりでリフレッシュすることが、結果的に仕事にもいい影響を及ぼすと感じます」(半年前に中途入社した男性社員)