「関東の背開き、関西の腹開き」という言葉があります。

 これは、東西の鰻の焼き方の違いをあらわしたもので、武士の町江戸では、腹開きは切腹に通じて縁起が悪く、商人の町上方では逆に、腹を割って話す必要があるからだと言われています。

 関東風は、鰻を背骨側から開き、頭とヒレを取って二つに切って串を打ち、一度白焼きにしてから蒸し、十分に脂を落としてタレで焼くので、ふっくらと柔らか、口の中でとろけます。

鰻の柳川
【材料】鰻の蒲焼き…1/2枚/ごぼう…1/2本/干し椎茸…3枚/卵…3個/干し椎茸の戻し汁…150ml/酒…大さじ2/みりん…大さじ2/醤油…大さじ2/三つ葉…1本
【作り方】 ①干し椎茸は水に入れて落としぶたをし、冷蔵庫で一晩戻したら、軸を切って薄切りにする。鰻は1cm幅に切り、ごぼうはささがきにして水にさらし、水気を切る。②親子鍋などの浅い鍋に、干し椎茸の戻し汁、酒、みりん、醤油を入れて中火にかけ、1を入れて5分程度煮る。③卵を溶きほぐし、2に回しかけたら三つ葉を乗せ、ふたをして、さらに1分程度煮て器に盛る。丼にしても。

 対して関西風は、腹から開いて頭もヒレもつけたまま、タレをつけて一本焼きにするため、皮はカリッと香ばしく、ジューシーで、脂が残っている分、タレは甘く濃い目です。

 式亭三馬の『浮世風呂』に、上方出身の女性が「江戸の鰻はやわらかいばかりでおいしくない」と言うシーンがあり、どちらをおいしいと感じるかはお好み次第ですが、これだけ工程が違うのは、おそらく元の鰻の質自体が違っていて、関東の大鰻は脂がきつすぎて、蒸さないとおいしくならなかったのではないかと思います。

 また、蒸すことを考えると、腹開きでは身が崩れてしまいますから、背開きにする必要があった、というわけです。

鰻の骨煎餅
【材料】鰻の骨…2匹分/揚げ油…適量/醤油…大さじ3/おろし生姜…小さじ1
【作り方】 ①醤油におろし生姜を解いておく。②鰻の骨は170℃の油で二度揚げし、1にサッと漬けてから油を切る。