そんな法務部門の課題解決に立ち上がったのがSansanだ。同社は10月30日、法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」の上で「コンプライアンスチェック・反社チェック機能」を開発すると発表した。トムソン・ロイターグループを前身とするリフィニティブとパートナーシップを組み、2020年3月をめどにサービスを提供する予定だ。事前の受け付けも開始している。

名刺をもとに“リスクのある会社”を自動通知

 Sansanは、スキャナーやスマートフォンアプリを使って名刺を撮影すれば、AIと手入力を組み合わせて名刺の文字情報をデータ化している。新機能を導入すれば、データ化した名刺の「会社名データ」と、リフィニティブのコンプライアンス関連データベースとを名寄せし、リスクのある企業を自動で検出する。名刺交換相手がリスクのある企業であれば、Sansanのサービス上で通知されるようになる。法務部門・コンプライアンス部門への通知機能なども提供する予定だ。

新機能のイメージ Photo by Y.K.
新機能のイメージ Photo by Y.K.
拡大画像表示

 Sansan共同創業者で取締役・Sansan事業部⻑の富岡圭氏は機能提供の理由について、次のように話す。

「Sansanは、交換した名刺を99.9%の精度でデータ化する仕組み。そのデータ化された名刺情報と、リフィニティブのコンプライアンス関連データとを自動的に名寄せします。もしも名刺交換の相手がリスクのある企業だった場合、Sansan上に通知されますので、時間や手間をかけず、早期にリスクを把握できる。それが最大のメリットです」

 もともとSansanには、ユーザー企業から「名刺データをもとに反社チェックをすることはできないか」との声が多数寄せられていたという。Sansanでは、社会的な反社対策の高まりとともに、こうしたユーザーニーズに応えるかたちで今回の開発に着手したという。

「Sansanのサービスは、名刺管理を通じて営業活動の後押しをしようというところから始まった。そして現在、名刺情報を企業全体で活用できるよう『資産化』するところまで成長してきました。私たちが目指しているのは、Sansanというサービス上に、あらゆるビジネス情報を集約する『ビジネスプラットフォーム』というあり方。反社チェック機能の追加も、まさにその一環としての取り組みです」(富岡氏)

 Sansanの反社チェック機能の共同開発パートナー・リフィニティブは、世界約190ヵ国、4万社を超える企業や公共機関に、マネーロンダリングやテロ資金供与など膨大な量の“ブラック企業”データを提供している世界有数のデータプロバイダー。同社が提供している「World-Check」というデータソリューションには、10万件以上の情報ソースから集められた約440万件(2019年10月現在)のプロファイルが収められており、毎日2回、最新の情報にアップデートされている。Sansanの反社チェック機能では、その「World-Check」のデータベースを利用することになる。