スクリューの運搬に自転車で付き添う作業員韓国の巨大企業グループは下請企業や非正規労働者への依存度がますます高まっていることを認めているが、約25人の労働者、下請け企業幹部、専門家へのインタビューによれば、労働現場での事故に関してほとんど責任を負っていないという。写真はスクリューの運搬に自転車で付き添う作業員。2015年5月13日、ウルサンにある造船所で撮影(2019年 ロイター/Kim Hong-Ji)

[巨済(韓国) 30日 ロイター] - パク・チョルヒさんの突然の悲劇は、2年前にさかのぼる。2017年の「勤労者の日」、パクさんは、サムスン重工業の巨済造船所に休日出勤していた。この日、大型クレーンが別のクレーンと衝突して倒壊し、パクさんの弟を含む6人が犠牲になった。

「爆弾が落ちたようだった」とパクさんは振り返る。そして、「遺体は言語に絶するほど損傷していた」と話した。

 この日、同造船所で働いていた労働者の90%はパクさんと弟のパク・スンウさんをはじめとする下請け労働者で、その人数は1500人近くに上っていた。フランスのエネルギー大手トタルに納入する石油・ガス掘削プラットフォームの建造が仕事だった。

 死亡した6人、負傷した25人も全員が下請け労働者だ。サムスンの正社員に比較して、給与は安く、労働者に対する保護も弱く、訓練も不足していた。

大企業は責任取らず

 サムスンをはじめとする韓国の巨大企業グループは、コスト削減と雇用の柔軟性向上のため、下請企業や非正規労働者への依存度がますます高まっていることを認めている。だが、約25人の労働者、下請け企業幹部、専門家へのインタビューによれば、こうした大企業は労働現場での事故に関してほとんど責任を負っていないという。