居眠り社員ゲーム依存による睡眠不足で仕事中に居眠りする社員を、会社はクビにできるのでしょうか?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

若手社員がゲーム依存による睡眠不足で仕事中に居眠り。再三注意しても改善しないため、ついに会社側は解雇を通告した。すると、翌日から本人は無断欠勤の上、母親が逆切れ。さらには会社に100万円の慰謝料を請求する事態に。どう対応したらいいのか?(特定社会保険労務士 石川弘子)

A社 概要
50代の社長が25年前に創業した金属加工の会社で、従業員数は30名ほど。経営は順調だが人手が足りず、求人を行っても若い人の応募がなかなかない。

登場人物
白井社長
:50代半ば。30歳の頃に独立し、順調に業績を伸ばしてきた。従業員である赤間の母親とは、以前に息子の学校のPTAで一緒に活動していた。
赤間健太:入社1年目で22歳の男性社員。高校卒業後、アルバイトをするも続かず、引きこもり生活をしていた。見かねた母親が近所に住む白井に相談し、白井の会社に就職した。
赤間康子:赤間健太の母親。一人息子の健太に過保護なところがあり、引きこもっていた健太を強引に白井の会社に入れてもらった。
緑川主任:A社に20年近く勤める40代の主任で製造ラインの責任者。赤間を指導しているが、なかなか成長せず、頭を悩ませている。

連日の睡眠不足で
機械作業中にも居眠り

「社長、ちょっといいですか?相談したいことがありまして」

 昼休みが終わる頃、緑川主任が事務所で書類を確認していた白井社長に声をかけた。