米中貿易協議は行き詰まる恐れがあり、そうなれば年内に「第1段階の合意」を目指すトランプ米政権の計画がとん挫する可能性がある。複数の元政権当局者がこうした見方を示した。米政府は10月11日、米中が貿易交渉で原則合意したと発表。だがそれから6週間以上たっても、中国が要求する関税撤廃や米国が求める米国産農産品の購入など、依然として中心的な問題で意見が対立したままだ。ドナルド・トランプ大統領は19日の閣僚会合で「中国は私が望む取引を行わなければならなくなる」とし、「中国と合意できなければ、関税をさらに引き上げるだけだ」と述べた。米通商代表部(USTR)の元代表代行で、現在は弁護士事務所キング・アンド・スポルディングのパートナーを務めるスティーブン・ボーン氏は「米国の長年の懸念解決に中国が後ろ向きになり、協議が行き詰まる可能性が高い」と指摘。トランプ政権が中国に求める内容は非常な明確なため、最終的には実際に協議の進展を示す用意があるかどうかを中国が決めなければならないと説明した。