橘玲の世界投資見聞録 2019年11月21日

長い歴史と伝統をもつイランを旅するなら5月に南部を中心に
8泊9日の日程がお勧め。ただしお酒もSNSもクレジットカードもNG
【橘玲の世界投資見聞録】

イランでは酒断ちだけでなくSNS断ちも出来、健康的な生活。
料理は日本人の好みにも合うが、毎日がラムとヨーグルトに

 イランは法律で飲酒が禁じられており、酒を出す店はなく、外国人が酒類を持ち込んでも罰せられる。自宅でこっそり飲酒することはあるようだが、2016年8月にテヘランのイラン人宅で開かれたパーティを治安当局が強制捜査し、出席していた駐イラン日本大使が身柄を拘束されて事情聴取を受けた例もあるからリスクは大きそうだ。

 私も最初、1週間も禁酒できるか不安だったが、酒を手に入れる方途がないと案外あっさりやめられるものだとわかった。夜はすることがないので、軽く夕食を食べ、ベッドで本を読んでいるうちに10時くらいには寝てしまった。

 イランはデモ対策で、FacebookやTwitterなどのSNSは利用できない。VPNを使えばアクセスできるかもしれないが、スマートフォンの代表的なVPNアプリはすべてブロックされていた。ノートパソコンのVPNからTwitterにアクセスできたが、これも5分ほどすると接続が切れてしまう。ちゃんと調べておけば方法があるかもしれないが、面倒になってそれ以上の努力はあきらめてしまった。――イラン全土で大規模なデモが起きたことで、現在はインターネットへの接続そのものが遮断されているようだ。

 イランを旅しているあいだは、酒断ちだけでなくSNS断ちもできる。早寝早起きの健康的な生活になるのは間違いない。

 イランは東西の文化が出会う場所にあり、食事も小麦(パン)と米を両方食べる。米はインディカ米で、サフランライスを上に乗せ、バターを混ぜて香辛料をふりかける。ナンは薄焼きで穴のあいたラヴァーシュが一般的で、これで串焼き(キャバーブ)を巻いて食べる。鶏や牛肉もあるが、もっともよく食べられるのが羊。それ以外では、ナスや豆の煮込みもある。飲み物はコーラか、ドゥーグと呼ばれる「飲むヨーグルト」。

 イラン料理は香草と果物で風味をつけた複雑な味で、日本人の好みにも合う。どれも美味しいが、毎日がラムとヨーグルトになるので、どちらも苦手というひとはちょっとつらいかもしれない。

イランの国民食ともいえるチェロウ・キャバーブ(羊のケバブ) (Photo:ⒸAlt Invest Com)
ポテトの唐揚げ、牛のケバブ、ラヴァーシュ(薄焼きパン) (Photo:ⒸAlt Invest Com)
豆とすね肉の煮込み    (Photo:ⒸAlt Invest Com)

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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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