ローマ法王Photo:Lisa Maree Williams/gettyimages

フランシスコ法王就任以来のあれこれ
いかに異例ずくめだったか

『悩めるローマ法王 フランシスコの改革』書影『悩めるローマ法王 フランシスコの改革』 秦野るり子著 中央公論新社刊 820円+税

 ローマ法王が38年ぶりに来日する。

 滞在中は広島と長崎の訪問や、東日本大震災の被災者との面会などが予定されている。前回ヨハネ・パウロ2世が来日した時は、初めてローマ法王が日本を訪れたとあって、各地で熱狂的に迎えられた。今回はどうなるだろう。個人的に気になっているのは、東京ドームで行われるミサである。何か荘厳な雰囲気を出すための演出はあるのだろうか。いまから気になって仕方がない。

 新しい法王が誕生した時のことをおぼえている人も多いかもしれない。

 2013年3月13日、午後7時6分、バチカンのサン・ピエトロ広場を埋め尽くした人々が、システィナ礼拝堂の煙突から白い煙が上がるのを見て歓声をあげた。新法王の選出会議コンクラーベで、新しい法王が選ばれたという知らせである。ちなみにコンクラーベ(どうしても“根比べ”と脳内変換してしまう)の結果を煙で知らせる慣習は18世紀からというから意外と新しい。

 新法王に選ばれたのは、アルゼンチンのブエノスアイレス大司教だったホルヘ・マリオ・ベルゴリオ。彼は266代目の法王、フランシスコとなった。