年金改革、将来不安は解消遠く 変わらぬ高齢者偏重
11月22日、政府が年内に見直しをとりまとめる予定の年金制度の方向性が社会保障審議会で明らかになりつつあるが、2000万円問題を契機として高まった現役世代の不安解消期待は望めそうにない。写真は都内で2013年12月撮影(2019年 ロイター/Issei Kato)

[東京 22日 ロイター] - 政府が年内に見直しをとりまとめる予定の年金制度の方向性が社会保障審議会で明らかになりつつあるが、2000万円問題を契機として高まった現役世代の不安解消期待は望めそうにない。急増する高齢者への給付財源を確保するため、パートなど年金の支え手を増やし働く高齢者を厚遇するが、一方で肝心の給付抑制には踏み込めず、4400万人の現役世代の給付改善への配慮は限定的だ。

「将来の安心」へシフト要望相次ぐ

 21日に首相官邸で開催された第3回全世代型社会保障検討会議で、日本商工会議所の三村明夫会頭は安倍晋三首相に、政策の軸足を足元の安心から「将来の安心」へシフトすべきと提言した。高所得の高齢者の負担を増やし、事業主や子育て世代にかかる負担の抑制などの改革を早急に進めるべきという視点だ。

 第2回の会議でも、学生企業家から「従来の高齢者偏重の社会保障制度から、どの世代も合理的に社会保障制度の便益を享受できる仕組みを作ってほしい」(株式会社GNEX代表取締役CEO、三上洋一郎氏)との意見が出ている。

 こうした現役世代が抱える不安の背景にあるのは、いびつな人口構成だ。年金保険料を支払う側の労働力人口は、現在7400万人が20年後には1400万人減少する一方、給付を受ける65歳以上は300万人増加する。

 今夏、厚生労働省が出した年金財政試算では、将来世代への年金支給率(現役男子手取りに対する年金額)は、今の高齢者の受給率61.7%に比べて、40%台にとどまるというシナリオも示されている。