区議会議員選で勝利した民主派候補者ら
11月25日、香港区議会議員選挙で民主派が圧勝したことで、何カ月も続く香港のデモに手を焼いていた中国政府に新たな頭痛の種が生まれ、香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官はさらに厳しい局面に立たされつつある。写真は香港理工大の外に集まった、区議会議員選で勝利した民主派候補者ら(2019年 ロイター/Adnan Abidi)

[香港 25日 ロイター] - 香港区議会議員選挙で民主派が圧勝したことで、何カ月も続く香港のデモに手を焼いていた中国政府に新たな頭痛の種が生まれ、香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官はさらに厳しい局面に立たされつつある。

 選挙前にはデモ参加者の1人が死亡したことなどを巡り、デモ隊と警官隊が激しく衝突する場面が見られた。

 しかし24日の選挙当日の香港は最近にないほど平穏な雰囲気に包まれた。そして登録有権者の4分の3前後に当たる300万人が投票に向かった結果、全452議席のうち最終的に400議席近くを民主派が獲得した。4年前の選挙では民主派の議席は100しかなかった。

 中文大学の政治学者Ma Ngok氏は「追加登録した100万人が、引き続きデモ隊を支持し、香港政府に不満を持っているという政治的メッセージを突き付けたとの見方が大勢だ。常に民衆の支持を得ていると主張してきた香港政府と親中派にとって、人々の本当の政治的な立場が記録的な数字で示されたことは大きな痛手だ」と指摘する。

 林鄭氏は声明で、選挙結果を尊重するとともに政府は「虚心坦懐に真剣な考えをもって、人々の意見に耳を傾ける」と述べた。

 区議は政治的に大きな実権を持っておらず、日常生活に関する問題を扱う仕事が大半を占める。ただ香港全域を通じた1つの勢力とみなされ、各自事務所を持ち、資金やネットワークも手に入る。こうした区議が、抗議デモによる事態打開が行き詰まり気味となっている民主派に新たな政治力行使の手段を提供するとの声も聞かれる。