株式投資の観点からすれば、業績予想を上方修正した企業よりもこれから上方修正しそうな企業の方に魅力がある。企業業績全体が減益基調でも、今後上方修正が期待できる企業はある。通期予想利益に対する中間期での実績利益の比率、いわゆる進捗率が高い企業がそれだ。連載「ダイヤモンド 決算報」の「19秋」企業業績・全体像編の第4回では、進捗率の高い企業を取り上げる。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

中間期(第2四半期累計)の実績利益が通期の
予想利益の半分を大きく超える企業に上方修正を期待

 ある企業の通期12カ月の予想営業利益が100億円で、中間期(第2四半期累計、上半期の6カ月間の累計)の実績営業利益が80億円だったとする。

 通期の予想利益に対する実績利益の比率を進捗率という。この企業の場合、進捗率は半分の50%を大きく超え、80%となる。下半期も上半期と同じように利益が出るとすれば、通期の営業利益は160億円となるはずだ。

 ただ、こうした進捗率の高い企業がすぐに通期の予想利益を変更するとは限らない。業績見通しに対して慎重な姿勢を崩さず、上方修正に踏み切らない企業も少なくないのだ。しかしその場合でも、この後に業績予想が上方修正される可能性は高いといえる。

 企業業績全体が減益基調でもこうした企業は存在する。そこで今回は、2020年2~3月期通期の予想営業利益に対する19年8~9月中間期の実績営業利益の比率が高い順に企業を並べた。なお期初における中間期の予想営業利益が通期の予想営業利益を上回っている企業は除外した。

 トップは牛丼大手の吉野家ホールディングスで、20年2月期通期の予想営業利益が10億円なのに対し、8月中間期の営業利益は29億3600万円だった。牛丼の「超特盛」「小盛」、希少なサーロインを使用した「特撰すきやき重」などの販売が好調で、期初の中間期予想の3億円を大幅に上回った。

 同社は、消費税率引き上げなどを理由に下半期の状況を慎重に見ているため、現時点では業績を上方修正していないが、期末までに上方修正する可能性は高いといえるだろう。

 ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸など複合糖質の研究開発を行っている生化学工業が2位に入った。関節機能改善剤ジェル・ワンの米国での売り上げ増加などで、19年9月中間期の営業利益は前年同期比約2.2倍の21億5000万円となった。通期の予想営業利益も4億円から前期比38%増の13億5000万円に上方修正されたが、さらなる上方修正が期待できそうだ。

 企業によっては、もともと中間期、つまり上半期に利益が偏重しているケースがある。進捗率ランキングを見るに当たっては、企業のウェブサイトのIR情報などで過去の中間期と通期の利益の傾向を確認した上で判断してほしい。

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