「英語が全然話せない」「皆の会話に入れない」「会議で一言も発言できない」。ネイティブを前にしたとたん、「英語が通じない」と悩む日本人は多くいます。一方で、日本人と同じく、英語でハンディがあるはずの非ネイティブは、うまくやっています。なんと、ビジネス英語には、非ネイティブが身につけるべき「絶対ルール」が存在したのです。
1年2ヵ月売上ゼロで窮地に追い込まれた著者が、今ではネイティブを部下に持ち、15ヵ国以上の外国人プロフェッショナルをマネージするきっかけとなった、非ネイティブが実践しているテクニックを『ビジネス現場で即効で使える非ネイティブエリート最強英語フレーズ550』にまとめました。学生時代に学んだ単語でじゅうぶん。使えるフレーズを多用し、ポジティブで丁寧な言い回しを意識すれば、英語での会話は怖くありません。「こんなとき、なんて言えば?」があっという間になくなるキーフレーズを中心に紹介します。

英語を堂々と話す

 英語を学んでいくうえで、最初の障害になるのは「人前で英語を話す」ということです。私も英語が下手だというコンプレックスから、何度となく英語を話すことを躊躇する場面がありました。しかし、非ネイティブがやっているように、堂々と話すことは理にかなった、いい行動なのです。

 シカゴ大学の研究結果で、興味深いものがあります。人はスピーチのアクセントによって脳内で無意識にバイアスを形成します。つまり「自分の話すアクセントと違う話し方の人には不信感を抱く」のです。しかし「アクセントが違っても、自信たっぷりに話したスピーチの場合は、信頼する傾向にある」というのです。

 この結果の通りだとすると、同じ英語力の人が2人いたとして、片方が堂々と話したなら、ネイティブは堂々と話した人のほうを信頼できる人だと思ってしまうということです。

 英語に自信がなくても、笑顔で常に堂々と話すのです。言葉に詰まっても、発音がよくなくても、です。とにかく話をして、情報のやり取りをするうちに、英語力より話の内容がフォーカスされて会話が続きます。

 会話が続けば、自信がついて、徐々に不安もなくなります。自信たっぷりに話して信頼関係を構築しましょう。

英語力と同じパワーを持つ表現方法

 コミュニーションの有名な法則で「メラビアンの法則」というものがあります。相手にメッセージを伝えるとき、言語情報(内容)が7%、聴覚情報(話し方など)が38%、視覚情報(見た目・ボディランゲージなど)が55%の重要度を持っている、という法則です。つまり「見た目や態度は、口ほどにものをいう」という意味です。

 私たちが人とコミュニケーションを取るとき、言語だけを交わしているわけではありません。相手の声のトーン、口調や表情を読み取りながらコミュニケーションをとっているのです。同じ言葉を話すにしても、笑顔で話すのと、顔をしかめながら話すのでは、伝わり方が異なります。英語圏では少々大げさと思えるぐらいに、身振り手ぶりで感情表現を行う必要があります。

 まずは「アイコンタクト」。海外では、コミュニケーションを取るときにアイコンタクトはとても大切です。まず相手の目をまっすぐに見ることで、相手に関心があるということを示します。実際ビジネススクールで、交渉で勝つためにはアイコンタクトを会話時間の60%は費やすことを強く推奨されました。

 次に「ジェスチャー」ですが、顔の表情や身振りといった身体表現が、言葉以上に自分の思いを伝えることを誰もが経験しているはずです。対面で会話をするときは、ジェスチャーをつけることで、考えがより伝わりやすくなるのです。

 非ネイティブたちは、大げさと思えるアイコンタクトとジェスチャーを駆使して、ネイティブたちに自分の考えを伝えています。

 英語は言語だけではありません。アイコンタクトやジェスチャーの効力を駆使して、世界で活躍する非ネイティブたちのように自分の考えをしっかりと伝えていきましょう。