株式レポート
7月27日 18時0分
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ECBの政策転換?〜リスクオン転化の条件の一つ〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

・昨日(7月26日)の米国株市場は大幅高となった。ECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁が「ユーロを守るために必要なあらゆる措置を取る」と発言し、欧州株式市場が上昇、為替市場でユーロ高となったことが好感されたためである。

・このドラギ総裁の発言の中で、「ソブリン債のプレミアムが金融政策の効果浸透の妨げとなっている限り、高利回りの問題はECBの責務の範囲内にある」(ブルームバーグ)と言及したことが大きかった。

・というのも、6月にギリシャ発の最悪シナリオが回避され、EU首脳会議で市場安定化策が決まったが、その実効性への疑念からスペイン国債金利上昇が続いていた(グラフ参照)。この事態への対応策として、ECBがこれまで躊躇していた、重債務国の国債を直接購入して金利を低下させる手段がある。昨日のドラギ総裁の発言は、その再開を含め「ECBの責任として」重債務国の金利上昇に対処する方針に転換したと解釈できるからだ。


・ギリシャ総選挙で最悪シナリオが回避された直後の6月18日レポートで、「ECBによる金融緩和や、重債務国の金利低下につながる政策がなければ市場の不安心理を落ち着かせるのは難しい」と述べた。通貨供給の権限を持つ中央銀行(ECB)が、少なくとも2011年に行っていた対応が実現しなければ欧州債務問題は落ち着かないと考え、筆者はこれまで欧州問題、リスク資産に対する投資に総じて慎重だった。

・ただ、昨日のドラギ総裁の発言がECBの政策転換を示唆するなら、これが持つ意味は大きい。6月末の首脳会議後の対応ではっきりしなかった、重債務国債の金利低下が実現するシナリオに、今度は期待できるかもしれないからだ。ECBが決断すれば、政治的事情と関係なく、マーケットに資金供給という実弾が投入できるため、これまでのスキームより効果は大きくなる。

・2011年12月のECBによる市場への大量資金供給の後に、「公的債務拡大⇔銀行の資産劣化⇔景気悪化」の悪循環に一旦歯止めがかかり、2012年初の世界的なリスク資産上昇を演出する一要因となった(先のグラフ参照)。来週(8月2日)のECB理事会で、昨日のドラギ総裁の発言に沿った行動が実現すれば、2012年初同様の「リスクオンへの転化」をもたらす条件が、ようやく一つ整うかもしれない。


(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)

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