政府の経済対策に応じて日銀が国債買い入れを再拡大するとの見方が出ているが、市場に期待は広がっていない。写真は2017年6月に撮影(2019年 ロイター/Thomas White)

[東京 10日 ロイター] - 政府の経済対策に応じて日銀が国債買い入れを再拡大するとの見方が出ているが、市場に期待は広がっていない。市中での国債増発の可能性が低いだけでなく、レポレートの低下や超長期金利低下など思わぬ副作用をもたらす恐れがあるためだ。タイミング的に財政ファンナンスとも受け止められかねない買入増額には日銀も慎重になると市場はみている。

巨額の前倒債、市中での国債増発懸念は薄い

 政府の経済対策は事業規模が26兆円と膨らんだが、2019年度補正予算に計上される国と地方の財政支出としては4.3兆円と「普通サイズ」。前倒債が積み上がっているため、国債のカレンダーベースの市中発行額に影響はないとの見方が多い。来年度は国債償還増加と前倒債の縮小のために、むしろ減少観測があるほどだ。

 モルガン・スタンレーMUFG証券のエクゼクティブディレクター、杉崎弘一氏は、「財務省は前倒債発行により50兆円以上のオーバーファンディングの状態にあり、支出は前倒債で十分カバーできる。また、2016年度に同規模の経済対策が実施された時も、市中発行は増発はされていない」と指摘する。

 経済対策に呼応し、日銀が国債買い入れを増額して、政府との一体感を演出するのではないかとの見方もある。ただ、当の円債市場では、国債増発の可能性が低いこともあって、期待感は低い。