柔らかく、生き物の特性を取り入れた「ソフトロボット」

 Amoeba GO-1のサイズは、全⻑77cm、幅62cm、高さ61cm。本体重量24kg。走行速度は約1km/hのため、動きはかなりゆっくりしている印象だ。

 実は、アメーバエナジーのように生物の特性を取り入れたロボット開発には、近年注目が集まっている。柔らかな部位を有する「ソフトロボット」の研究は2010年ごろから活発になり、日本では2018年度から文部科学省の科学研究費補助金新学術領域研究の一領域として「ソフトロボット学」が対象となった。ソフトロボットにはAmoeba GO-1のようになんらかの生き物を参考にしたものも多い。こうした「柔らかい」ロボットへの関心が高まっているのは、ロボットの利用シーンが拡大してきているからだ。

 従来のロボットは主に工場内での産業利用が想定されていた。産業ロボットに求められるのは、強い衝撃に耐える堅牢性や、作業を正確にこなす高度な制御技術だ。しかし、近年のロボットには人とのコミュニケーションや、日常生活の補助としての役割も期待されている。

 日常で利用されるロボットは、必ずしも硬くて複雑な機体ばかりが有用とは限らない。むしろ、人と触れても傷つけない柔軟なボディや、親しみやすさが求められる(ディズニー映画に登場するベイマックスは、その好例だろう)。また、多様な環境に対応するためには、生き物の動きを参照するのは有効な手段だ。

 柔軟性や親しみやすさを追求して開発されたものとしては、ユカイ工学が開発したしっぽ型のセラピーロボット「Qoobo(クーボ)」、生き物を参考にしたものには東京大学情報理工学研究科で特任講師を務める梅舘拓也氏らが開発するイモムシ型ロボットなどがある。

「Amoeba GO-1は、階段の昇降ができる世界初のソフトロボットで、移動式ソフトロボットの実証実験をここまでの規模で実施するのはおそらく今回が初めて。生活空間で利用されるロボットとして、親しみやすさや安全性も取り入れていきたい」(青野氏)