中部ジャワ州スマランで
インドネシアの漁師によると、かつて豊かな漁場だったジャワ海一帯は近年、漁獲高が落ち込み続けている。それに追い打ちをかけているのは、海岸にある自宅を洪水被害から守るために多額の出費を強いられるという事態だ。写真は中部ジャワ州スマランで11月撮影(2019年 ロイター/Willy Kurniawan)

[タンバックロロック(インドネシア) 1日 ロイター] - インドネシアの漁師、ミスカンさん(44)によると、かつて豊かな漁場だったジャワ海一帯は近年、漁獲高が落ち込み続けている。それに伴う所得減少の憂き目に見舞われた彼の窮状に追い打ちをかけているのは、海岸にある自宅を洪水被害から守るために多額の出費を強いられるという事態だ。

 ミスカンさんは「陸地に住んで海で働くとすれば大変だ。でも、今は海で仕事をして、海で暮らしているようなものだからね」と自嘲気味に話す。

 こうした水害は、人間の手による環境破壊と地球温暖化の双方が原因。ミスカンさんが暮らすタンバックロロックが直面している洪水との闘いは、インドネシアで最も人口の多いジャワ島の沿岸住民・数百万人が海面上昇によって受ける被害のリスクを象徴している。

 タンバックロロックの洪水は非常に深刻で、ミスカンさんは海水の流入を阻止するために玄関の半分を土嚢で封鎖しているため、出入りには窓を使わざるを得ない。土をトラックで運んでくれる人を雇うため、約720万ルピア(500ドル)を支払う必要があり、近所の人からの借金を強いられた。「漁師をしているとお金は、なかなかたまらない」と言う。

 今月2日から開催される国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)を前に、11月29日にはアジアや欧州各地で、政治指導者らに対し踏み込んだ温暖化対策を打ち出すよう求めるデモ行進が行われた。

 特に多数の島で構成されるインドネシアは、約8万1000キロの海岸線で囲まれ、近隣のフィリピンなどとともに温暖化の被害を受けやすい。