米議会
12月10日、米下院民主党はトランプ大統領のウクライナ疑惑を巡る弾劾訴追状案を公表し、「権力乱用」と「議会妨害」の2つの条項を弾劾訴追の根拠とする方針を示した。写真は米議会。12月10日、ワシントンで撮影(2019年 ロイター/Yuri Gripas)

[10日 ロイター] - 米下院民主党は10日、トランプ大統領のウクライナ疑惑を巡る弾劾訴追状案を公表し、「権力乱用」と「議会妨害」の2つの条項を弾劾訴追の根拠とする方針を示した。歴史的な背景からこの2つの条項の定義を探った。

権力乱用

 弾劾手続きにおいて「権力乱用」は一般的に、大統領が個人的な利益のために大統領の巨大な権限を利用することと定義される。合衆国憲法は大統領を弾劾する理由として「反逆罪、収賄罪または重罪や軽罪」を挙げており、「権力乱用」に具体的には触れていない。しかし法律専門家は、合衆国の建国に携わった人々は「重罪や軽罪」という文言に幅広い意味で権力乱用を含ませるつもりだったと指摘している。

「建国の父」の1人であるアレクサンダー・ハミルトンは、1788年に弾劾手続きの理由について、「公人の不品行、つまり大衆の信頼を乱用したり傷つけること」と記した。

 ジョージタウン大法学部のルイス・マイケル・セイドマン教授は、トランプ氏に対する批判の中核部分、つまり同氏が自分の政治的な利益となる調査の公表をウクライナに対する軍事支援の条件にしたという部分は、建国の父が弾劾手続きの理由に当たると考えていた行為にほぼ相当すると述べた。

 セイドマン氏は「米国はウクライナに国家安全保障上の利害を有しており、大統領の行為は政治的利益と引き換えに国家安全保障上の利益を危険にさらしたように見受けられる」と指摘。「こうした事態が起きたのであれば弾劾の核心そのものだ」とした。