スタニスラブ・べセラPhoto by Nanako Ito

世界最大の消費財メーカーであるP&G(プロクター・アンド・ギャンブル)。P&Gジャパンのスタニスラブ・ベセラ社長は、テクノロジーは「ツール」だと断じる。彼らが今「リーダーになりたい」と考えているのはいったいどんな分野なのか。(聞き手/ダイヤモンド編集部 相馬留美)

小売店でのAI活用は
グローバルに先行

――P&Gが注力しているテクノロジーとは何でしょうか。

 テクノロジーは三つに分類されます。まず明白なのは製品の革新。次にショッピングの環境への適用。そして三つ目は、社員や組織、人材、さらに環境への活用です。

 今では膨大な量のデータが利用できるようになりました。小売店もたくさんのデータを持っていますし、店頭からもデータが取れる。買い物客の購買実態データもあります。社員がデータを見て判断し、自らの戦略へと反映していけるようなテクノロジーも備えていかなければなりません。