昨今は鉄道乗降客数の減少に伴い、キオスクの撤退・統合が進んでいるが、JR東日本のキオスクは2015年より新業態「NewDays KIOSK」への転換が始まっており、他の鉄道会社も駅ナカ売店をコンビニチェーンへと転換。さらに自動販売機オートキオスクの増加やセルフレジの導入など、時代に合わせた進化を模索中だ。そんな首都圏キオスクの軌跡をたどる。(清談社 松嶋千春)

おじさん需要に
頼れなくなったキオスク

浜松町のニューデイズかつておじさん向け商品ばかり売っていた「駅の売店」は、新聞や週刊誌、タバコが売れなくなると、次々にコンビニに転換していった

 昔ながらの駅ナカ売店はいつのまにか姿を消し、続々と見慣れたコンビニへと転換を遂げている。2006年にJR東日本の100%子会社となったJR駅構内の売店「KIOSK」は、2015年より新業態「NewDays KIOSK(キオスクを自社展開しているコンビニ・NewDaysのマイクロショップ)」への転換が進んでいる。

 マーケティングアナリストの渡辺広明氏(「やらまいかマーケティング」のサイトはこちら)は、従来の駅ナカ売店について、次のように振り返る。

「POSレジの導入が進み、販売員の暗算の職人芸は必要なくなりました。また、従来の売店で売られていたものといえば、スポーツ新聞、雑誌、たばこ、ガム程度なもので、おじさん向けのラインアップでした。食べ物も菓子パンが1~2種類置いてあるぐらいで、女子が寄り付くような場所ではありませんでした」(渡辺氏、以下同)

 週刊誌の販売額は、取次ベースで1995年に4000億円あったものが、2012年には2000億円に半減(『出版指標 年報 2018年版』より)。男性喫煙率の下げ幅を10年単位で見てみると、1968年78.5%、78年74.7%(-3.8ポイント)、88年61.2%(-13.5ポイント)、98年55.2%(-6ポイント)、2008年39.5%(-15.7ポイント)、18年27.8%(-11.7ポイント)と、ここ20年間の下げ幅が著しい(日本専売公社およびJTによる調査より)。

「時代とともに新聞やたばこといった主力商品の売り上げが減り、JR東日本の100%子会社となる06年以前から落ち目になる兆しは出ていて、壊滅的になる前にコンビニ『NewDays』主体の経営に切り替えたのではないでしょうか。NewDaysで蓄えたコンビニのノウハウを携えて、2015年以降は手薄だったマイクロショップの業態転換に乗り出したのだと予想します」