そこで売りの依頼を獲得するために、「購入したいお客さんがいます」とうそぶいたチラシを投函したりする。仲介手数料を割り引くという手に出る会社もあるが、たとえ仲介手数料を3%から2%にしても、売却価格が1%以上安くなったら、そちらの方が売主の損になる。マンション価格で3%未満は誤差のようなものだからだ。

 だからこそ売り手は、満額の3%を払ってでも、仲介会社に高く売ってもらうのが最もキャッシュフローがよくなるので、そこを目指したいところだ。

仲介会社が顧客に言えない
「儲け」のカラクリ

 仲介会社が仲介手数料を値引いてでも売りの依頼を受けたいのは、実は売り主には言えない事情がある。成約まで漕ぎ着ける仕事をして3%ももらえないのかと思いきや、実は買い手からも3%もらっているというパターンが成約事例の半数を占めている。これを一般的に「両手取引」と言う。

 両手取引が成約事例の半数もあるということは、業者がそれを当たり前と考えていなければ、そこまでの確率にはならない。不動産業界は「両手」が常識なのだ。1つの取引で2倍の売り上げが上がるので、収益面で大きなインパクトとなる。

 両手を取るためには、まず売り主と専任の契約をしないと話にならない。そこで、価格を高めに設定すると成約しにくくなる。なので、売り主には「高く売る」とは言えない。相場の範囲ならば成約しやすいからだ。そうなると、売り主の「高く売って欲しい」というニーズに反することになる。これが最大の問題になる。

 高く売るには実績を調べるしかない。

 そんななか、ある仲介会社は相場よりやや高く売っている。その数値は平均4%だった。算出方法は、その会社の成約事例をランダムサンプリングし、スタイルアクトが運営する「住まいサーフィン」の自宅査定機能を使って、成約ベースの適正価格と比較するというものだ。