「スキル面は資格や試験でわかるので、面接では一人一人と向き合いパーソナリティーを見ていきます。腕が良ければ良いというわけではなく、人柄はかなり重要視します。人見知りで、人と話すのが苦手でも構わないんです。不器用でも素直な一面があれば、一緒に働きたい。逆に、何を考えているかわからない卑屈な印象だと難しいですね」(出澤氏)

 また、入社してからも、話すのが苦手な人は報告・連絡・相談がうまくできないこともあるが、丁寧に“報連相”の必要性を伝えている。

「変な先入観はなく素直さを持っている人が多いので、しっかり言えば理解してくれます。職人かたぎの人が多いですが、最近ではめきめきと成長して、いずれマネージャーの立場になれそうな人材も出てきました」(出澤氏)

経歴よりも、「人」と「技術」に価値を置く

 エイシングへの就職を志望する人の多くは、独自のAIアルゴリズムにひかれ、採用面接を受けるケースが多い。そもそもAIベンチャー自体が20社以下しかない限られた市場の中で、ロボットとAIを掛け合わせるという最先端技術の研究開発に取り組める環境がある。また、経済産業省の育成プログラムであるJ-Startupにおいて、日本のユニコーン企業(時価総額1000億円以上の未上場企業)候補92社に選出され、世間からの期待も高まっている。

 つまり、プログラミング好きの好奇心をくすぐる業務内容と、スキルと人柄だけを重視するエイシングの採用姿勢が、マッチングを生んでいるのだ。

「普通なら書類選考で落ちてしまうような経歴でも、当社はスキルと人柄で見るようにしています。おそらく学歴や経歴で選考をする企業の人事担当者の多くは、入社後に活躍しなかったときに通過させた自分のせいになるリスクを避けたいのだと思いますが、経歴と仕事ができるかどうかは比例しません。むしろ何かが欠けている人の方が、挫折を味わい苦労している分、一皮むけていることも多いのではないでしょうか」(出澤氏)

 日の目を見ていなかったエンジニアたちを見つけ出す、エイシングの“隠れエリート”採用。何かに特化している人は一見、変わっていることが多い。一般のものさしで測るから、埋もれてしまっているだけなのかもしれない。