定年後は沖縄や離島での移住を夢見ていたが…定年後は沖縄や離島での移住を夢見ていたが… Photo:PIXTA

定年後、せわしい都会を離れて「田舎暮らし」に憧れる人は多いようだ。特に気候が温暖な沖縄はその候補地としてしばしば挙がる。筆者もその一人で、定年の翌日から沖縄方面に移住先を求めて向かったが、いろいろと検討した結果、断念した。その経験について、まとめてみた。(むかしダイバー・元広報マン 内山武行)

定年退職した翌日に
憧れていた沖縄に向かった

 長らく勤めいていた大手製薬会社を64歳で定年退職した翌日の4月1日、ユートピアを求めて、沖縄に向かった。

 働き盛りだった40代のころ、仕事で支店との打ち合わせや代理店との会議などで全国各地を飛びまわり、沖縄にも数回行ったことがある。

 そのころは、とにかく多忙であった。

 那覇空港に着くと、そのままアポイントのある会議の場所に向かい、会議を終えると、その足ですぐに東京に戻るという状況だった。他の地方に行ったときも全く同じで、現地で観光をする余裕などは全くなく、その地方の習慣や環境に触れることも全くなかった。当時の沖縄の印象も特にないが、強いて言えば、とにかく「暑かった」というだけであった。